こどもの矯正治療

1. 子どもの歯並びが悪くなる原因から考えましょう

なぜ、上の前歯が出ているのか?下の歯が出ているのか?重なり合って並べないのか?
大事なことは、まず鼻で呼吸をするということ。
Q: 口を開けて呼吸をしていませんか?
Q: いつも前歯が見えていませんか?

正常なリラックス状態とは、

  • 上下の歯が咬み合わされず2〜3mmはなれている
  • 舌は上あごについている
  • 唇は閉じて鼻で呼吸している
状態です。

しかし、、、

歯ならびが悪くなるスパイラル

こうした歯並びが悪くなるスパイラルをどこかで切らないといけません。
その手法が「上顎拡大装置」と「あいうべ体操」です。

解説:

口呼吸をする

口を開けたまま呼吸をするので、口の中が乾き、唾液による殺菌作用が不充分になり、むし歯や歯周病、口臭などの原因になります。また、風邪をひきやすく、咽頭炎や扁桃炎にかかりやすくなります。口呼吸をするときは空気をスムーズに通そうとして、舌を本来あるべき正しい位置よりも下げています。

舌の位置が正しくない

口呼吸をするときは、きづかずに舌の位置を低くしたり、前に出しています。このクセがつくと、はっきりと発音できなかったり、食べ物をうまく飲み込めなくなったりします。舌の変なクセは、歯並びにも影響します。上あごが狭くなり、下あごが後ずさりして「上顎前突(出っ歯)」になったり、舌の位置によっては「開咬」になったり、下あご全体を突き出して「反対咬合(受け口)」になったりします。舌の位置が悪いと、奥歯でしっかり噛むこともできません。

口蓋が狭い

遺伝で口蓋(上あごの骨)が狭い人もいますが、奥歯できちんと噛まないために口蓋が広がらず、狭いままになる人もいます。口蓋が狭いと、前歯が並ぶ場所が足りず、はみ出して「叢生(凸凹歯)」や「上顎前突(出っ歯)」になります。口蓋を上あごの天井と考えると、その天井裏には鼻腔(鼻の穴の奥)があるため、口蓋が狭いと鼻腔も狭くなり、鼻気道を十分に確保できません。

気道が狭い・鼻がつまる

体質的なものもあるかもしれませんが、子どものうちは扁桃腺が腫れやすいため、アデノイドが大きくなって気道が狭くなりがちです。また、鼻の粘膜が炎症をおこしやすい時期でもあります。気道が狭くなったり、鼻がつまったりすると、鼻から呼吸ができなくなるため、口で呼吸をするようになります。

2. 上顎拡大装置

拡大装置は固定式の矯正装置で、歯ならびの土台となる上あごの骨ごと拡大をおこなう装置です。
上あごの骨の成長が完全に終了すると効果が得られないので、装置の適用は14歳頃までが適齢期です。特に反対咬合(受け口)の傾向がある子には、この装置を用いて上顎を拡げてあげると、将来手術の適応を受ける可能性が少なくなります。
また、20代でも効果が得られる場合もあります。
(※おとなでも使える装置もできました!)

上顎拡大装置
上顎拡大装置

この、上顎拡大装置のメリットとして、鼻腔が広がることにより口呼吸の改善を行います。昨今問題となっているADHD(注意欠陥多動性障害)にも関わる内容です。
また、それ以外にも次のような副次効果も報告されています。

  • 口呼吸から鼻呼吸へ(鼻呼吸だと脳が冷却。口呼吸は脳に熱がこもる)
  • 嗅覚の発達・改善
  • 鼻アレルギー、喘息の緩快
  • いびきの改善、消失
  • 姿勢の改善
  • 伝音性聴覚障害(難聴)の改善

逆にデメリットは、はじめのうちは「食べづらい」「しゃべりづらい」などが報告されていますが、小中学生などお子さんにとってはしばらくすると慣れるようです。また、急速に顎を拡大するため、最初の1、2週間はねじを巻いた直後に痛みの出ることもありますが1、2時間以内に治まります。

あと、よく患者さんに「顔が大きくなるのでは…」という質問をいただきますが、顎を広げるからと言って顔が大きくなるわけではありませんので、ご安心下さいね。

検査
オクルーザー検査:咬合力、平均咬合圧力、咬合バランス、歯型作製
写真撮影:口内、顔(正面・横)、全身(正面・横)、パノラマレントゲン、セファロレントゲン
費用
検査(矯正初診料):3万円~
1期治療:20万円~
通院(定期検査など):3ヶ月ごとに千円位(個人差あり)
修理:2,000円~

3. マウスピース矯正装置

近年、注目を浴びている非抜歯矯正にマウスピース型の矯正があります。名前の通り、マウスピースをはめて歯列を矯正していく治療法で、装置が取り外し式で、ブラケットやワイヤーも装着しないので最も目立ちませんが、この方法は多くの場合、歯を抜かなくても済むような比較的簡単な矯正治療にしか適用できません。

その手軽さから、本来は適用が難しい複雑な歯並びの方なども希望され、思ったほどの矯正効果がないことに不満を持たれるケースも聞いたりします。 河原町歯科では、マウスピース矯正の対象者は、3歳~10歳程度までの乳歯が残っているお子さんを対象に絞り、他の矯正装置と併用することで矯正効果をあげています。

プレオルソ

類似の装置は他にもありますが、私が用いていて優れていると思われる点は、次の通りです。

◎機能訓練を兼ねた矯正ができる点

機能訓練とは、歯並びが悪くなる原因として唇と舌の筋力バランスの悪さが挙げられますが、そのバランスを正常に整えるための訓練のことです。単純に歯並びを整えるだけではなく、歯並びが悪くなった原因も改善しないと、後戻りを起こしたりしますので、機能訓練はとても大事なポイントですが、このプレオルソを用いて喋ったり唾を飲み込んだりすると、機能訓練も同時に行いながら矯正ができるのです。

◎シリコンを用いた柔らかい素材を使用することで、装着時の痛みも少なく、素材の臭いもない点

これは特に子どもにとって重要なポイントで、マウスピース矯正で成果を上げるためには長時間装着することが必要なため、できるだけ快適に装着しておく工夫が必要となるからです。さらに、装着時間も通常のマウスピース型矯正の場合、20時間程度必要なのに対し、プレオルソは睡眠時間+1時間程度で良いので、小さい子どもでも無理なく続けることができます。

◎型を取らなくても良い点

特に小さい子どもの場合、型を取るときに使うニュルっとした材料を口に入れるのを嫌がったり、固まるまで我慢できなかったりして、正確な型を取ることが難しいこともよくありましたが、プレオルソの場合は、プリフォームのため、型を取る必要がありません。

他には、開発者が日本の矯正医が開発されたため、純日本産で日本人の子供にあったマウスピースになっているため、 細かい点まで配慮が行き届いている点も感心します。